経営改善・事業再生
リスケを検討した際に倒産リスクが高まっても、リスケと並行して、徹底的なコスト削減と収益力改善、事業再構築を実施して再建を目指しましょう。 |
目次
経営改善・事業再生とは?
経営改善というのは簡単に言えば、赤字を黒字にすることです。当方の支援業務のうち「リスケ・資金繰り改善」では会社が赤字・黒字問わず、財務体質の問題や資金繰りの問題で借入金の返済が厳しくなった場合を解説していますが、このページおける支援は赤字であること、それも特殊な事情でたまたま当期のみ赤字となったような場合ではなく、経営体質そのものに大きな原因があるようなケースを前提としています。ただし、後述する事業再生と比べると企業としての根本的な再構築までは行なわない(改善点が明確な会社)ケースとなります。
そして事業再生の場合、目指すところは同じですが、ニュアンスとしては債務超過に陥っている(窮境状態にある)会社が事業内容を見直し、その原因を改善した上で財務体質の再構築をはかることで、会社の競争力を回復させて持続可能になるようにすることです。
これら、経営改善や事業再生を行なうためには主に以下のようなSTEPがあります。
経営改善における大きな目的
非常に原則的な話ですが、そもそも融資とは事業によって生み出される利益や企業の成長に期待して行なわれます。また、生み出される利益(ザックリ言うと売上から事業に必要な費用を引いたもの)を見越して返済条件(毎月の返済額+利息)を設定していたはずです。
「会社の財務状況が厳しい」とか、「赤字が続いている」というような場合、金融機関にとっては、これらの期待が失われており、場合によっては回収行動へ移るおそれがあります(言うまでもなく、会社は倒産します)。
もちろん、そうならないためにも「リスケ・資金繰り改善」といった対策を早め早めに打っていく訳ですが、対策が遅れて後手に回ってしまった場合は、事業内容を見直し、財務体質の再構築を決意し、これによって会社がどのような見通しとなるかを事業計画に表して債権者である金融機関の理解を求め、同意を得る必要があります。
つまり、経営改善の目的とは事業によって生み出される利益から、しっかりと借入金を返済する原資のとその道筋を導き出すことです。
以下では、これら経営改善を行なっていく上で前提となる知識を順に説明します。
金融機関の自己査定
当然ながら、銀行などの金融機関は、貸付金を回収をして利息を得ることを前提に成り立っています。万が一、不良債権が増加し、貸倒損失が増大すれば、金融機関とて経営悪化となるわけです。
そこで金融機関は、融資実行前に申込者の返済能力や財政状況を審査し、実行後も財務状況や資金繰り、収益力等から返済能力に応じラベリング(債務者区分)を行いリスクヘッジしています。この区分は既与信先の新たな決算情報が入手された時や、貸出条件の変更を行った時などに随時見直されます。
本ページで前提としているような窮境状態にある会社の場合、良くても「要管理先」に格付けられており、多くの場合は「破綻懸念先」に格付けられていると考えられます。
このような場合、追加融資どころか、リスケ交渉も難しく、一括請求や競売、債権譲渡などの不安が生じます。
融資の条件緩和を叶える事業計画
実は、金融機関のラベリングで債務者区分が低い場合でも、条件緩和を叶える方法があります。
金融機関を検査する金融庁が作った「金融検査マニュアル」では、合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画(いわゆる合実計画)を立てている企業の場合、債務者区分が低い場合でも、貸し出し条件を緩和できることが定められています。
具体的に言うと債務者区分が「破綻懸念先」に区分されている企業でも、きちんとした合実計画を立てることで「その他の要注意先」として評価されるのです(2ランクアップ)。他にも「要管理先」から「その他の要注意先」へと評価を上げることができる「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」(実抜計画)」というものもありますが、実務上は合実計画のことさえ知っていれば問題ありません。
合実計画の要件
合理的かつ実現可能性が高い経営改善計画というだけでは良く分かりませんが、「3,5,10」という3つの数字とともに要件を覚えておけば、合実計画はイメージしやすくなります。
まず、経営改善計画に着手してから3年以内に赤字解消(黒字化)することが可能な計画である必要があります。続いて、5年以内に債務超過(資産より負債の方が多い状態)を解消できることが前提です。実は、この要件だけで、かなりシビアに財務体質の再構築をしなければ、ならないことが分かります。
最後は、債務超過解消後10年以内に債務を返済できる計画であることです。一般的に債務償還年数10年以内と言いますが、この求め方は以下のようになります。
※債務は厳密に言うと「有利子負債 −(現預金+換価可能有価証券+売上債権+棚卸資産−仕入債務)」で計算します(非常にややこしいです)。
※返済原資は「経常利益 − 税 + 減価償却費 − 設備投資費 − (運転資本増減)」
経営改善・事業再生支援の流れ
以上を踏まえて経営改善と条件緩和実現までの過程例を示します。
※3期分の決算書と今期試算表、前期・今期の売上推移表(あれば部門別も)、借入返済状況の一覧などを拝見しながら、簡単なヒアリングと要望をお伺いします。
また実現するためのアクションプラン等も作成します。
事業計画の見直しや改善計画策定は、あくまで手段であり、経営者自らが課題に気付き、お金の流れを把握しすること、また金融機関に条件緩和の合意を得るための補足資料にすぎません。
条件緩和を意味あるものとし、改善に向けた道筋を作っていくことが本来の目的であることを理解ください。
コンサルティング報酬
当方は、中小企業経営力強化支援法に基づく国家認定の経営革新等支援機関であり、適切なアドバイスとご支援が可能です。また、事業開始後のモニタリングも行なっており、クライアント様の根本的な改善・革新にも寄与させて頂いております。 まずは一度ご相談頂き、皆さまの納得のいくまでサポートさせて頂きます。
事業改善 プラン |
ヒアリング 現状分析 |
現状調査 計画立案支援 |
計画書策定 相談立会い |
モニタリング (2年間) |
着手金 324,000円 開始後 月32,400円 |
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