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補助金・助成金申請

 国や地方自治体から受給できる返済リスクのない補助金は、資金調達面で大変有利です。具体的な事業を想定されている場合は是非、ご活用ください。

目次
  1. 補助金について
  2. 補助金の特徴
  3. 良い事業計画と悪い事業計画
  4. 補助金申請の流れ
  5. コンサルティング報酬

補助金について

 「補助金」は、資金を借り入れる「融資」とは違い、国や地方自治体等から貰える資金をいいます。つまり返済不要ですが、後払いが原則です。このことから、創業時に融資で足りない分を補助金で補うということはできません。
 そういう点では、助成金も同様ですが、補助金と助成金の違いは受け取る際の条件の違いです。助成金は基準さえ満たせば、原則として必ず受給できる性質のものですが、補助金の場合は、応募期間や予算が予め定められており、採択された者だけが受給できます。申請したからといって必ずもらえる訳でもなく、決められた様式や方法で申請を行う必要があるため、少し敷居が高く感じられる場合があります。
 この反面、補助金額は高額になる場合があり、当方がよく取り扱っている案件でも補助金額1,000万円というのが平均です(助成金は50万〜100万というものが多いようです)。
 企業、民間団体、個人、自治体などの事業者が対象となり、その種類も膨大で日々項目も変化します。当方もあらかじめ企業様から事業計画の大枠をお伺いしておき、その都度(補助金の公募が始まる時期に)、お客様に情報提供させて頂いておりますし、実際の申請の段において事業計画の策定や申請を支援させて頂いています。
 一方で、助成金は基準を満たすか否かのみですので、ご相談には応じますが、書類作成や申請はご自身で行うことを推奨します(どうしても作成等を依頼する場合は社会保険労務士をご紹介します)。

補助金の特徴

 補助金は国が税金を使って文字通り事業を「補助」するものです。このため、なんでもかんでも補助金がもらえるのではなく、国の政策にマッチしている事業である必要があります。よって補助金には様々な種類がありますが、それぞれ一定の目的やテーマが設定されています。
 例えば「平成 26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金」の場合、国内外のニーズに対応した「@ものづくり」や「A試作品の開発」、「B革新的なサービス」といった新規事業の創出を行なう中小企業というのがテーマとなっています。  ともかく、補助金には企業向け以外にも、創業向け、一般消費者向け、学術研究機関向け、地域自治組織向けなど、多数ありますので、意外といろいろな方が受給対象となっていますので、是非活用して頂きたく思います。  以下、簡単に補助金の特徴を列挙しておきます。

Point@ 特定の事業が対象である。

 補助金を申請するには、募集がなければなりません。テーマや目的を設定した上、予算が内閣によって閣議決定された後、公募がなされます。
 これは、ここまで説明した通りです。補助金は国(または自治体)の政策にマッチした特定の目的やテーマに沿った事業に対して給付されます。また、一定の期間内に実施する事業のみを対象とします。

PointA 公募→審査→採択→本申請という流れがある。

 補助金を申請するには、募集がなければなりません。テーマや目的を設定した上、予算が内閣によって閣議決定された後、公募がなされます。
 もちろん、予算には限りがありますので、申請者の中から誰に給付するのかを決めなければなりませんので、「審査」がなされます。審査して給付者を決定することを「採択」といい、決定者に「採択通知」がなされます。
 採択までいけば、受給はほぼ間違いありませんが、申請者の都合等もあって、(もったいないですが)辞退されるケースもあるため、採択後に本申請という手続きが取られます。
 参考までに先ほどの例「平成 26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金」では26年度補正予算で1,020億4,000万円の予算が設定されています。本補助金は、一般的なもので補助上限額が1,000万円ですので、単純に計算すれば1万204社が採択された時点で、公募が終了ということになります。
 本補助金は「1次公募」と「2次公募」と分けて公募されたり、「1次公募」でも「前半」と「後半」で分けて公募されたりしますので、これも単純に考えれば一度の公募で5,000社(または2,500社)程度に絞るために審査がなされる訳です。

PointB 全額補助はされない。

 多くの補助金では、事業でかかった経費(対象経費は特定)の「2分の1」や「3分の2」を補助するというのが、多いように思います。「全額くれないの?」と思われるかもしれませんが、それでは「補助」ではありません・・・。ただし、補助といいながら「3分の2」も補助してもらえるのはありがたいと思います。
 したがっって上限額1,000万円の補助金があったとして、採択を目指す場合、トータル1,500万円(または2,000万円)にも及ぶ事業の計画が必要になります。当然のことながらこの補助金対称外の500万円(または1,000万円)は自力で工面する必要があります。

PointC 補助金は後払いである

 先の補助金対象外に続いて、課題となるのがコレです。補助金をあてにして設備投資などを考えられる経営者様が多々おられますが、補助金は国や自治体の政策に沿った事業を後押しするためのものですので、決して資金繰りが厳しい企業のためにあるのではありません。言い換えればネガティブな用途ではなく、ポジティブな用途に活用してもらうためのものです。
 したがって、補助金でピンチを脱出しようという企業では、補助金支給が「後払い」であるために応募が難しいといえます。自己資金が無い、というのはもちろんのこと、金融機関等から借り入れも難しいケースが考えられるからです。
 補助金の給付はあくまで一定の事業期間終了後になされます。ただし、計画書が5年を想定したものであっても、公募の要件の期間が1年であれば、1年度に1年分のみが給付されます。
 ただし、ピンチをポジティブな施策で乗り切る、という事業計画もありえますので、そのあたりは当方にご相談ください。

PointD 事業報告義務がある。

 これは、クライアントが補助金申請に消極的になりがちな特徴です。国民の血税から1,000万や2,000万といった給付がなされるのですから、当然、給付されれば終わりというわけにいきません。補助金が給付されるまではかなりしっかりした事業報告を行い、補助金給付後であっても数年間、事業報告をする必要があります(口頭ではなく、明細も含めた書面報告です)。
 あたりまえのことなのですが、別の用途で補助金を使うとか、嘘八百の事業計画を立てて補助金を受給するといったことを防止する役割を果たします。適正な事業実施がなされたのか、後々までチェックがなされるわけです。
 1,000万円の補助金(税金)は、法人税や利益率から算出して2億円規模売上の価値があると言われています。面倒臭がらずに、報告義務も含めて補助金申請にチャレンジして頂きたく思います。

良い事業計画と悪い事業計画

 補助金の採択を受けるためにもっとも重要なのは当然、事業計画となります。補助金にもよりますが、多くの場合、公募ごとに国や自治体の用意した事業計画書のフォーマットがあります。
 しかも、公募によっては記載例や審査項目ポイントの説明まであります。一見すると、大学のレポートよりも容易に作成できそうに思えますが、ここには様々な落とし穴があります。
 当方が受任した補助金申請の採択率は86%です(一般的な補助金の採択率は平均10〜30%と言われています)。
 まったく白紙の状態で、知り合いに補助金のことを聞きご依頼される企業も多いですが、一度過去に自社やある専門家に相談して申請し、不採択となったので、再チャレンジで当方にご依頼されるケースもあります(当方で不採択となった案件をアフターフォローで再度申請して採択したものも数件あります)。
 こういった事情で当方は、採択される事業計画と、不採択となる事業計画の両方を分析する機会に恵まれました。セカンドオピニオンではありませんが、自社や別の専門家により申請し不採択だったケースの実際の計画書、資金繰り表、利益予測、当時のヒアリングの中身等、すべてお聞きさせて頂いています。その中で「良い事業計画」と「悪い事業計画」の特徴が見えるようになりました。その一部を解説してみます。

(1)事業計画の目的

 くどいようですが、事業計画はあらたに補助金のテーマに沿ったものを立ち上げる必要があります。良い事業計画は国や自治体からみて、将来の希望が見えるポジティブ事業です。悪い計画は対処法的なネガティブ事業です。
 たとえば、設備が古くなったから、入れ替えたい、とか従業員の経費を補助金でまかなえるらしいから、応募してみたいetc です。

(2)外部環境分析

 孫子いわく「彼を知り、己を知れば百戦危うからず」です。事業計画で表す事業が、自社を取り巻く市場でどのようなものか分析できているのが良い事業計画です。逆に市場を無視し、自社の状況を鑑みない事業計画は悪い事業計画です。

(3)熱意

 精神論ではありません。熱意の読み取れる事業計画が良い事業計画です。ごくごくあたりまえのことで、新しい事業に取り組むのに、淡々とした内容を記すのは悪い事業計画です。国や自治体側で公開している記載例も淡白すぎですし、分量が少なすぎます。あれは、あくまで記載する形式を示したもので、採択される事業計画例ではありません。

(4)独りよがり

 上記と対称的に、熱意のみの事業計画も悪い事業計画です。持論を広げすぎている、独善的な解釈ばかり、審査官の視点にたっていない、専門用語ばかりでは採択されようもありません。

(5)ストーリー

  専門家だろうか、素人だろうが、読んでストーリーを感じ唸ってしまうのが良い事業計画です。絵画、音楽、スポーツ、すべてに通じますよね。逆にタテもヨコもナナメもどこもストーリが繋がらず、腹に落ちないものは悪い事業計画です。

(6)説明具合

 わかって欲しい、誰がみても判る説明があるのが良い事業計画です。読むものを置いてけぼりにしてしまうのが悪い事業計画です。

(7)収益予測

 計画なのだから、予測なんてたてられない、と書面が訴えているのは悪い計画書です。予測不能な未来であっても、少しでも具体的に、確実に、収益予測を練っているのが良い事業計画です。

(8)根拠

  記に深く関連しますが、事業計画の目的やテーマと、実際にかかる経費により導かれる効果などが明確に根拠づけされているのが良い事業計画です。あたりさわりのないポイントのみに触れ、紐づけされていないのが悪い事業計画です。

  以上、様々書きましたが、これらをすべて実現するために自社のみでは対応が難しいのではないでしょうか。ヒトも自分のことをよくわかっているつもりでも、自分の後姿や上・下・ナナメから観察することはできません。
 自社の改善・革新も含めて、一度ご相談頂けますと幸いです。

補助金申請の流れ

 実際に補助金を受けようと思うと、かなりのハードルを越える必要があります。補助金の申請までの過程は以下の通りです。

@予算の閣議決定 ※国会で予算が可決たものしか補助金は受けられません。
↓

A公募開始 ※閣議決定後は、あまり時期を置かず、公募開始されます。
↓

B目的や要件にマッチする補助金選定 ※受給要件や趣旨に合う補助金に応募しましょう。
↓

C事業計画の策定 ※補助金の趣旨に合った事業内容を具体化します。
↓

D申請書の作成 ※会社の詳細、状況、資金調達先、事業経費等を記します。
↓

E申請書の提出 ※申請書とともに計画書やその他必要書類を添付します。
↓

F採択の決定 ※補助金によって異なりますが、1割〜4割程度が採択され公表されます。
↓

G本申請(交付申請) ※説明会等に参加し、簡単な打ち合わせ後、交付申請をします。
↓

H経過報告(実績報告) ※実施事業の内容や、実際にかかった経費を報告します。
↓

I補助金交付 ※適正に実施されたと認められれば、補助金額が確定し交付されます。
↓

J完了報告 ※1年〜5年の事業期間終了後に報告書を提出します。
 ※一定以上の収益が認められた場合、補助金額を上限に納付義務が生じる場合があります。

 繰り返しになりますが、上記の過程の中でも最も重要なのは「B目的や要件にマッチする補助金選定」と「C事業計画の策定」となっています。国の定める指針に合致した企業の、適正な事業計画なくして補助金の交付は有り得ないわけです。そこで当方はこの点を最重要視して支援を行なっています。

コンサルティング報酬

 当方では、補助金申請に関して多くの経験と実績を有しており、適切なアドバイスとお手伝いが可能です。また、事業期間を通してのコンサルティングも行なっており、クライアント様の根本的な改善・革新にも寄与させて頂いております。 まずは一度ご相談頂き、皆さまの納得のいくまでサポートさせて頂きます。

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